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不妊症

生理が始まって4〜5日すると脳下垂体前葉から卵巣刺激ホルモンが分泌され、その作用で生理が止まります。一方、このホルモンの作用によって卵巣内の卵胞が大きくなり、中の卵も一緒に成熟するのが通常です。そして、脳下垂体前葉から黄体化ホルモンが分泌されるとその作用によって卵胞から成熟した卵が排出され、卵巣を破って腹腔内に排出されます(=排卵)。

卵巣では排卵前から卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されていますが、排卵後には黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され、この両ホルモンの作用で子宮内膜は厚くなります。さらに、厚くなった内膜からはネバネバしたムチンという物質が分泌され、受精卵が着床しやすい環境を整えます。

また、黄体ホルモンが分泌されると体温が上昇して高温相となります。高温相は排卵から12〜14日ほど続くのが普通です。受精すると脳下垂体前葉から黄体刺激ホルモン(プロラクチン=催乳ホルモン)が分泌され、その作用で黄体ホルモンの分泌が続くことになります。黄体刺激ホルモンは排卵を抑える作用がある為、このホルモン値が先天的に高いと無排卵となることもあります。

現代医学では、夫側や卵巣・子宮に不妊の原因が見つからなければ、ホルモンの異常、あるいは、ホルモンバランスの崩れによって不妊になると考え、その為の対処に専念するのが一般的です。


不妊症において、卵巣・子宮という器官と身体(全身)との関わり・関連性を重要視している鍼灸医学では、「ホルモンの異常」、「ホルモンバランスの崩れ」は全身の不調和によるものであると考えています。つまり、卵巣・子宮は全身の一部であり、全身の影響を受けるものと認識することによって、不妊症を全身的・全体的に捉えているのです。この点が現代医学と異なるところであり、鍼灸医学の特徴です。

例えば、現代医学では注視していない冷え症は、内臓、特に生殖器に多大の影響を与えます。「冷えがあると不妊になる」とまでは言いませんが、不妊症を治療する際には冷え症の改善が重要なポイントになります。また、鍼灸医学では、既往歴、持病の有無、睡眠の状態、眼・耳疾患の有無、胃の状態、便・尿の状態、血圧、血糖値など、一見、不妊症とは関係なさそうな事柄の把握も、身体のバランスを整える上で必要不可欠です。

現在、プロラクチン値が高値の為に無排卵であったり、卵子が未成熟のままであったとしても、身体のバランスを整えていけば、排卵が起こり、成熟卵が育成される身体へと体質が変化していくのです。

不妊症の症例    
(1)35歳女性・自然妊娠 (2)43歳女性・体外受精 (3)27歳女性・自然妊娠
(4)34歳女性・体外受精 (5)44歳女性・体外受精 (6)35歳女性・体外受精
(7)38歳女性・人工受精    
 
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